[マーケティング知識]ラグジュアリー戦略(ブランディング特集6)

ブランディング特集の第6回は「ラグジュアリー戦略」です。

ラグジュアリー、プレミアム、ハイエンド、などとの違いもはっきりしていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。ラグジュアリーとは特権階級であることを周りに誇示するためのものであり、その階級に入っているという満足感を得られるものでなければならず、そのブランドがもつ個性が自分らしさを代弁するものであると著者は述べています。その効用を満たし続けるためには、顧客の声に耳を傾けるのではなく、クリエイターの狂気じみたこだわりと、そこから生じる世界観を表現し、伝えていくことが重要であるとも。つまり決して売ろうとはせず、媚びることもない。持つにふさわしい人のみに与える会員制クラブのようなものと解説されています。

レクサスが事例として本書ではよく取り上げられていますが、あのブランドはプレミアムであるがラグジュアリーではなく、ポルシェやロールスロイス、BMW、フェラーリ等とは異なり、機能の完璧さを追い求めた結果できあがったものであるということです。

アップルはジョブスのこだわり、世界観のつくりかた・伝え方、欠乏感の演出、アップルストアでのもてなし、価格戦略など、ラグジュアリー戦略をうまく取り入れているようです。

 

 

それでは、本書のポイントをご紹介します。

 

ラグジュアリーの起源は権力の象徴であり、その推進の理由は自由平等化、消費力の増大、グローバル化、コミュニケーションによって、民主主義が追いやった社会階層化を作り直すに必要なものである。

 

プレミアムの延長線上がラグジュアリーではなく、マーケティングと逆張りである。

1.「ポジショニング」のことは忘れろ

2.製品は傷を十分に持っているか?

3.顧客の要望を取り持つな

4.熱狂者でない奴は締め出せ

5.増える需要に応えるな

6.顧客の上に立て

7.顧客がなかなか買えないようにしろ

8.顧客を非顧客から守れ、上客を並みの客から守れ

9.広告の役割は売ることではない

10.標的にしていない人にもコミュニケーションせよ

11.実際の価格より常に高そうに見えるべきである

12.ラグジュアリーが価格を定め、価格はラグジュアリーを定めない

13.需要を増やすために時間が経つにつれ価格を引き上げろ

14.製品ラインの平均価格を上げ続けろ

15.売るな

16.スターを広告から締め出せ

17.初めて買う人のために、芸術へ接近するように努めろ

18.工場を移転するな

 

ラグジュアリーの特徴

・観念(レーベル)

・希少性

・独占感

・時間・伝承・歴史・手作業

・複雑性

 

ブランドエクイティの成長

・ブランドのないラグジュアリーはない

・実在する生身の人物である

・始祖を持つ

・光り輝かねばならない

・ライフサイクルがない

・正当性は専門分野よりも権威と階級と創作から創られる

・金融的価値がある

 

アイデンティティ・プリズム

・ブランド独自の記号

・個性(らしさ)

・他者に対して提供した自分自身の映った姿の影

・精神状態(ありたい姿)

・文化・DNA

・関係性

 

ブランド構築の2つの方法

・History

・Story telling

 

ブランドの設計思想

・アイコンについて頻繁に語る

・現在に共鳴し、トレンドや明日の嗜好を発する鍵にならなければならない

・手に届く製品を持たなければならない

・その地位と名声を高め続けなければならない

 

この記事の著者

Atsushi Shibayama
通信業界での法人営業を経て、ネットサービス業界での商品企画やマーケティング、ビジネス開発に10年以上携わる。専門はB2B2Cプラットフォームや不動産投資マネジメント、イノベーション。
デジタルマーケティングコンサルタントとして、主にB2B企業の戦略立案や実行計画策定を支援している。
2015年11月06日 by
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