[マーケティング知識]アップルvsグーグル どちらが世界を支配するのか

デジタルマーケティングを実践していく上では、Apple, Google, Facebookなどの企業が提供するプロダクト/サービスを活用されていると思います。今回と次回では、彼ら自身がどのように考えて戦略を立て実行しているのかをご紹介していきます。

 

本日ご紹介するのは、「アップルvsグーグル どちらが世界を支配するのか」です。

iPhoneの発売の頃は、シリコンバレーのある会社と事業開発で協業していたこともあり、衝撃だったことを覚えています。生活者が持ち運ぶガジェットはひとつになるだろうと予測していたこともあり、快進撃を続けていたiPod+iTunesに電話+ネット接続機能が付加された機器をみて、やられたと思いました。あれで全データがクラウドに保管できるようになり、TVやPCともシームレスに繋がるようになると、まさにマイデジタルライフだなと。その後は、プロジェクトを外れたので、いち生活者として見ていただけですが、Androidの発表を見たときは、Microsoft対Appleの対決を思い出しました。水平分業でオープン化し、イノベーションの中心を担うOSを押さえサードパーティを巻き込んだエコシステムを構築するという戦略は、数十年前と同じ構図。Appleが垂直統合でUXを提供しようという作戦も。

 

それまで補完関係にあり、社外取締役やアドバイザーなどお互いに深く付き合っていた両社が、どのように袂を分かったのか、それぞれがイノベーティブなプロダクトを世に送り出すにあたって、どのような苦労があったのか、それぞれの物語も面白いですし、両社がどう絡みのかも興味深いです。「昨日の敵は今日の友」とか「永遠の敵も永遠の同盟国もない。永遠にあるのは国益だけだ。」という言葉を改めて思い出しました。

 

あのiPhoneの発表が、あんなにも綱渡りであったのはプレゼンの完璧さからは想像できませんでした。エンジニアは自分のキャリアを賭けそれこそ昼夜惜しまず働く姿は、ワークライフバランスなどとは程遠く、世の中を変えることに喜びとやりがいを感じているからこそできるのでしょう。

 

グーグルにしても、iPhone向けにアプリを開発しながら、Plan:Bとして自社でAndroidを開発していたのは経営者としては当然の判断としても、それを社内の圧力から護っていくマネジメントは意外とできないものだと思います。それをやってのけ、アップルからの攻撃もかわしつつ、育てていった軌跡を追えるのは貴重です。オープンであり、コントロールできることを、よしとする理想を追求した結果、iPhoneに対する差別化になったこと、iPhoneが先に発売され、独占的であったことから、他のキャリアやメーカの賛同を得やすい環境が醸成されたことなどは、作戦というよりは偶然だったというのも興味深い内容です。そのチャンスを生かした手腕も含め。

 

著者の主張としては、iPadこそがコンテンツ産業を変えた、という指摘はなるほどと思ったところ。そして、数十年前に構想しマックで成し遂げたかったこと、もっと生活者が使いやすく楽しめる機器、がiPadによって成し遂げられたというのは、ジョブスがその生涯をかけて実現したかった世界であり、それを達成して天界へ旅立ったというのは、何かを感じさせます。そして、その数十年前に味わった苦渋、創り上げたUIやらUXをどう護るか、については特許戦略として拘ったというのも。

 

モバイル、クラウド、ビッグデータ、が世界を変えているのは間違いなく、その覇権を握ろうとするアップル、グーグル、そしてアマゾン、フェースブックを加えた4巨頭がどのような動きを見せるのでしょうか。そんな彼らでも、狂気のように働くのはもちろん、試行錯誤をしながら突き進む姿はいろいろと面白いですね。

 

この記事の著者

Atsushi Shibayama
通信業界での法人営業を経て、ネットサービス業界での商品企画やマーケティング、ビジネス開発に10年以上携わる。専門はB2B2Cプラットフォームや不動産投資マネジメント、イノベーション。
デジタルマーケティングコンサルタントとして、主にB2B企業の戦略立案や実行計画策定を支援している。
2016年02月25日 by
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