[マーケティング知識]フェイスブック 若き天才の野望

前回に引き続き、今回はfacebookの考えを知ることができる書籍をご紹介します。「フェイスブック 若き天才の野望」。

もう5年ほど前の本になりますが、彼らがどんなことを考えて創業し成長させてきたのかがわかると思います。儲けよりも理想を追求する姿勢はグーグルとも似ていますが、またちょっと違う印象です。

 

ひと頃、大きく盛り上がったSNSのひとつくらいに捉えていたのだが、エリート大学生の欲求を的確に掴んでサービス化するところに、創業者の洞察力のすごさを感じます。印象的な部分はいくつもあったが、グーグルとの比較は、facebookの特徴を表していて納得できました。

 

「シナリオを2つ書いてみよう。それぞれシリコンバレーのふたつの会社に対応している。ここまで極端ではないが、彼らはスペクトルの両端にいる。一方の端にいるのはグーグルで、この会社は主として現在進行中の物事を追跡することで情報を取得する。彼らはそれをクローリング(這い回ること)と呼ぶ。ウェブを這い回って情報をかき集め、自分たちのシステムに持ち帰る。地図をつくりたいと思えば、みんなの家の写真を撮るワゴン車を大量に手配して、彼らのストリートビューシステムに使う。そして、彼らが広告のために人々のプロフィールを組み立てる方法は、ダブルクリックとアドセンスのクッキーを通じて、みんながウェブのどこへ行くかを追跡することだ。それが人の興味に関するプロフェースをつくる彼らのやり方だ---グーグルはすごい会社・・・」
彼がためらう。
「だが、これを論理的にとことん押し進めていくと、ちょっと恐ろしくなることがわかるだろう。反対の端でぼくたちは、違うやり方があるはずだと考えて会社をスタートさせた。みんなが共有したいものを共有できるようにして、何を共有するかを制御できる良いツールを渡せば、さらに多くの情報が共有されるようになる。しかし、全員とは共有したくないものを、全部フェイスブックで共有することを考えてみてほしい。クローリングやインデックスをされたくないものだってある---家族旅行の写真や自分の電話番号、会社のイントラネットで起きたことすべて、あるいは個人間のメッセージやメールなど。だから、多くのものがどんどんオープンになっていく一方で、全員に対してはオープンでないものがたくさんある」
「これは今後10年、20年で最も重要な問題のひとつだ。世界がますます情報を共有する方向に進む時、それが確実にボトムアップで行われる、つまり人々が自分たちで情報を入力して、その情報がシステムでどう扱われるかを自ら制御できるようにする必要がある。どこかの監視システムに追跡される集中制御方式ではなく。これは世界のために決定的に重要なことだと私は思っている」

 

facebookはプライバシー問題も、ターゲティング広告も、いろいろと話題になりますが、ユーザの欲求を的確に掴んでサービス化し、その欲求を外さずに発展させてきたところが、すごいところだと改めて感じます。同じようなコンセプトを考えついた人は他にもいるでしょうし、レコメンドやターゲット広告のサービスも色々ありますが、ユーザが自ら使ってもよい、少なくとも邪魔ではない、と感じられるサービスでなければ、ユーザを増やし、使い続けてもらうことはできず、結局レコメンド、広告など、機能しないでしょう。それを実現させたfacebookはやはり卓越した企業なのですね。

この記事の著者

Atsushi Shibayama
通信業界での法人営業を経て、ネットサービス業界での商品企画やマーケティング、ビジネス開発に10年以上携わる。専門はB2B2Cプラットフォームや不動産投資マネジメント、イノベーション。
デジタルマーケティングコンサルタントとして、主にB2B企業の戦略立案や実行計画策定を支援している。
2016年03月15日 by
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