[マーケティング知識]オープンイノベーション戦略

3月決算の企業では、今日は最終日ですね。あと一息です。頑張っていきましょう。

さて、本日ご紹介するのは書籍ではありません。マーケターのみなさんも自社のプロダクト/サービスをさらによくするにはどうすればいいか、考えることも少なくないと思います。そしてそうしたイノベーションは社内だけではなかなか上手くいかないと感じていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。

先日参加したあるフォーラムで、一橋大学の米倉教授がオープンイノベーション戦略について講演されていました。軽妙な語り口ながら本質をズバリと突いていき、そしてそれは過度に学究的にならず、人間心理などもしっかりと加味した提言になっているのが印象的です。本日はその内容をご紹介します。

 

・オープンイノベーションとは、顧客により速く新商品を届けたいという目的を果たすために採る戦略。オープンソース(外部ナレッジ)を利用することで、内部取引コストより外部取引コストが安い場合に適用される。

 

・オープンイノベーション戦略を採るにあたりどの領域で適用するかを選別するプロセスを経るが、これにより社運を賭けるような、内部リソースで開発すべき領域が明確化するのも大きな効果のひとつ。何から何までオープンイノベーション戦略を採る必要はない。

 

・日本企業が衰退せずさらに発展するためには、最もシンプルかつ重要なことは、顧客が何を考えているか欲しているかを新商品開発の起点にすべきという点。言い古されているがまだできていない企業が多い。また競争も激しくニーズも移ろいやすいにので、どれだけ素早くアイデアを商品化できるかがポイント。

 

・まともな付加価値(利幅)がつくのは新商品発売直後。数ヶ月で価格下落が起こる。顧客ニーズを見定めたらどれだけ素早く開発するか。競合より速ければその 分高マージン期間が延びるし開発管理コストも小さくなるというダブル効果がある。素早さを求めると外部ナレッジとの共創が有望な選択肢になる。

 

・おそらくオープンイノベーション戦略は、世の中をひっくり返すようなインパクト大な領域ではなく、商品改良のような小さな領域、プロセスイノベーションのような地味なところの方が活用されやすい。ポイントは顧客ニーズに応える新商品をどれだけ素早く開発するか?

 

・オープンイノベーション戦略成功の鍵は、どの領域か?ではなく、トップのコミットがあり具体的かどうか。内部技術者としては外部ナレッジ活用は自己否定に 直結するので消極的になりがち。経営トップが適用領域を選別しそこは必ずオープンイノベーション戦略を採り、いつまでに商品化せよと明確に指示すればよい。

 

・具体的には本業を補完するような領域がやりやすい。本業そのものではないから外部ナレッジを使うことに抵抗感も少ないし、成功した場合には本業への寄与も 期待されるので社内での支持も得られやすい。一度オープンイノベーション戦略で成功体験を積むと他領域でも適用してみようとなる。やってみて効果を実感できるもの。

 

・だからこそ逆に一度やってみないとどの領域でオープンイノベーション戦略を採りうるのか、そもそも思いつかないというのも特徴。内部リソースでの開発が常識の視野からは発想されない。この最初のオープンイノベーション戦略適用が鶏と卵の関係で難しい。

 

この記事の著者

Atsushi Shibayama
通信業界での法人営業を経て、ネットサービス業界での商品企画やマーケティング、ビジネス開発に10年以上携わる。専門はB2B2Cプラットフォームや不動産投資マネジメント、イノベーション。
デジタルマーケティングコンサルタントとして、主にB2B企業の戦略立案や実行計画策定を支援している。
2016年03月31日 by
ホーム  |  サービス紹介  |  コラム  |  お問い合わせ