マーケティング的に就活を考えてみる。

今年は8月から就職活動が本格化するようで、その解禁日にあたる8月1日の某所のスターバックスコーヒーは某大手企業本社の至近とあってか、面接待ちのダークスーツの学生が大挙して押し寄せており、さながら、山の頂上へアタックする前のベースキャンプのようだった。
ある学生は履歴書を書き、ある学生はメモを読み(自己PRや志望動機の直前確認だろう)、思い思いの過ごし方でその時に備えているが、その中に、すでに選考を終えた学生がおり、選考の内容について話していた。

聞くと「自社の商品(飲料)を売るにあたり、シニア向けか若者向けかを選び、商品をグループで企画する」という内容のものだった。

いわゆるグループディスカッションである。

本人は「何をどうしたら良いかまったく分からなかった」と言っていたが、ここにマーケティング的な思考を持ち込んで、考えてみようと思う。

――よろしければ皆さんも考えてみてください

与えられた条件は二つ
・商品:飲料
・ターゲットをシニア向けか若者向けか選ぶこと

僕のセオリーは以下
・商品がヒットするかどうかは、誰にも分からない。

まず、企画を検討する方針としては、
(少なくとも情報がまったくない状況では)商品がヒットするかは誰も分からないので、売れる可能性ができるだけ高くなる選択をする商品を企画する。ということ。

とすると、
・ターゲットは必ず母数の多いという理由から、【シニア向け】
・シニアと相性が良いと思われる【お茶】
・これにブランド力を強化するために【有名なお茶屋さんとのコラボレーション】
・自社の強みを生かすために【水にこだわりを持つような旗艦工場での生産】
・最後に【特保】認定を受ける

これで、お茶と水にこだわり、特保で健康も意識した、売れる可能性を限りなく高めた、シニア向けの商品が出来上がった。

もし、僕が学生ならグループディスカッションなので、検討の方針について、コンセンサスを取ることに全精力を傾ける。その後、シニア向け商品の企画に議論を傾けることができれば、8割ゴールに近づいたと言える。
思い思いのシニア向けイメージを述べてもらい、集約段階で、各人の推す強みの要素を詰め込んでいけば、商品は出来上がりである。

上記のプロセスがスムーズに議論できれば、このグループは次の選考に進むことができるのではないだろうか。(勿論、議論の進め方や話のまとめ方等のスキルも見られているであろう)

ただ、ここまで読んでいた皆さんもお気づきだと思うが、論理的に売れる可能性を高めることに注力すればするほど、普通の、いわゆる”尖っていない”商品ができあがる。
売れる要素を詰め込み、可能性を高めたはずのパッケージが、売れるはずのない商品となってしまうのが、商品企画の難しいところである。

とはいえ、この処方箋は既に誰もが知っている。
クリエイティブワークを加え、商品に個性を与えることだ。

マーケティングとクリエイティブのバランスが、良い商品を生むことは明らかなのだが、各社の商品ラインアップを見ると、実際の現場でこのバランスを取ることが、いかに難しいかが容易に分かる。
会社内もグループディスカッションも、グループ内の調整が一番大変だったりするのだ。

この記事の著者

Gozo Negishi
投資信託(バイサイド)、広告、証券を経て現職。Webに関わるデザイン、ライティングからプロデュース、解析まで。お客様が「できる?」と仰るなら「できます、やります、やってみせます」と持ち前の器用(貧乏?)さで日々奔走中。
2015年08月03日 by
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